夏と秋のあいだ

少しずつ秋が近づいていることが、肌身に感じてわかる。

そういう、季節と季節のはざまで、感傷的な気分になることもままあるし、特に最近感情を強く揺さぶられることが起きたばかりだから、晴れた空を見ても、青々と茂る木々を見ても、切ないなぁという感情と自分を切り離せない。秋の風が、なお自分を強く締め付ける。

今日は、昼過ぎに歯医者へ行って、そのまま散歩をした。

晴れていたし、気温もちょうど良かったから、行ってみたかった喫茶店まで、歩いて行ってみることにした。

緑に囲まれた道を、そのほとんど森の中のような道をすすむ。

途中クマに出くわさないか、ヒヤヒヤしながら。

自分の住んでいるあたりでは、クマに出くわしてしまうことはファンタジーではないのだ。いつでも起こりうる現実。何年か前も、家のすぐ近くにでた、らしい。

おそろしい。

結果、出くわすことはなくてホッとした。

歩いていると、あくまで主観だが、自分の思う札幌らしくない風景だなってのに出会った。

札幌の割と街中に近い方に住んでいたり、活動もそのあたりでやることが多いから、たくさんの自然が存在することを知っていても、あまり目にうつさない。

時折、こんな感じでいい風景に出会ってハッとさせられる。

どうしても、気分が落ち込んだり、ちょっと感傷的に支配されていると、周りの風景をそのまま受け入れることができなくなっている、体が、肩が、力んでいる。

少し、緩めて、落ち着いて、何もない時間から、何かを見出す。見出さなくてもいい。何もない時間を、ただそのまま受け入れることも、結構難しいし、結構重要なのだ。

体のどこかに、心のどこかに、がらんとした、何もおかないスペースを作ることがちょっとした安心材料になる。

ところで、この風景が札幌らしくない、と思うのは私だけなのだろうか。

本州のリゾート地みたいだな、って、行ったことないけど思う。

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